2012年5月2日水曜日

猫の覗き見: 科学


最新の物理学によれば、この空間にはエネルギーが満ちているといいます。

この空間はエネルギーに満ちていると提唱したのが、物理学者のポール・ディラックです。

量子論における真空は、決して「何もない」状態ではないのです。

ポール・ディラックは、真空を負エネルギーを持つ電子がぎっしりと詰まった状態と考えていました。

この、負のエネルギーに満たされた状態はディラックの海と呼ばれます。

通常の電子は負の電荷をもつが、電子と同じ大きさで正の電荷をもつ粒子が見つかっています。

正の電荷をもつ電子と同じ大きさの粒子は陽電子ということになるが、光の中から電子と対発生し、電子と対消滅して光になってしまうのです。

そこで、陽電子は電子とともにディラックの海から生まれ、電子とともにディラックの海に帰っていく空孔ではないかと考えられたのです。

後の物理学者により、この空孔理論という概念は拡張、解釈の見直しが行われています。

現在の場の量子論では、真空とは、その物理系の最低エネルギー状態として定義されます。

粒子が存在して運動していると、そのエネルギーが余計にあるわけですから、それは最低エネルギー状態ではありません。

よって粒子はひとつもない状態が真空だが、場の期待値はゼロでない値を持ちうるのです。

この、場の期待値を、真空期待値といいます。

 だったら、真空期待値からエネルギーを取り出せるわけですね。

真空からエネルギーは取り出せるか、でしょ。

 あ、そうでした。

エネルギー運動量テンソルの真空期待値が、宇宙定数ですよ。

テンソルは説明しようとしたらややこしいことになるけど、ある事柄に関して算出された値ぐらいに思っておいてください。

エネルギー運動量について算出された真空期待値が、宇宙定数です。

これは、真空が持っているエネルギーが宇宙定数といっていることになるわけです。

 宇宙を支える暗黒エネルギー(ダークエネルギー)は斥力とみられ、その斥力とはアインシュタインの導入した宇宙定数であると、最近では考えられていますね。

アインシュタインは引力と同じ大きさで反対向きの力として、宇宙定数を導入しました。


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言い換えれば、宇宙は引力と宇宙定数に満たされていることになります。

永久機関とは外部からエネルギーを受け取ることなく、仕事を行い続ける装置です。

古くは単純に外部からエネルギーを供給しなくても永久に運動を続ける装置と考えられていました。

慣性の法則によれば外力が働かない限り物体は、等速直線運動を続けます。

例えば、惑星は、角運動量保存の法則により自転を続けます。

そこで、単純に運動を続けるのではなく、外に対して仕事を行い続ける装置が永久機関と呼ばれます。

これが実現すれば石炭も石油も不要となり、エネルギー問題など発生しないことになります。

18世紀の科学者、技術者はこれを実現すべく精力的に研究を行いました。

18世紀の終わりには純粋力学的な方法では実現不可能ですということが明らかになり、さらに19世紀には熱を使った方法でも不可能であることが明らかになりました。

永久機関は実現できなかったが、これにより熱力学と呼ばれる物理学の一分野が大いに発展しました。

永久機関とされる装置には、第一種と第二種が存在します。

第一種永久機関とは、外部から何も受け取ることなく、仕事を外部に取り出すことができる機関です。

これは熱力学第一法則、すなわち、エネルギー保存の法則と等価に反した存在です。

ロバート・ボイルの名前を冠してBoyle's Self Flowing Flask(フラスコ)と呼ばれる機関が仕事をするためには外部から熱を受け取るか、外部から仕事をなされるかのどちらかが必要です。

それを望む形の仕事に変換するしかないが、第一種永久機関は何もエネルギー源の無いところからひとりでにエネルギーを発生させています。

これは、エネルギーの増減が内部エネルギーの変化するといい、熱力学第一法則に第一種永久機関が逆らっていることを意味しています。

第一種永久機関の例には、こういうものがありました。

時計回りに機関を回転させると、上部でおもりを乗せた棒が倒れるため、支点からの距離が長くなり、機関の右側がさらに重くなって回転が続きます。

しかし実際には、機関の左のほうがおもりの数が多くなってしまい、機関は左右がつりあってしまうため、回転は停止します。


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浮力を利用した永久機関もあって、アルキメデスの原理が働いて浮きの浮力によってベルトが反時計回りに回ると考えました。

毛細管現象による永久機関などは、毛細管現象によって細管を上った水が落下することにより反時計回りの水流が起こると考えられたのです。

科学者、技術者の精力的な研究にも関わらず、第一種永久機関が作り出されることはなかったのでした。

その結果、熱力学第一法則が定式化されるに至ります。

第二種永久機関は、熱力学第一法則、すなわち、エネルギー保存の法則を破らずに実現しようとした装置です。

そのような機械は「熱効率100%の熱機関」であって、その機械自体をエネルギー源として使用できるわけではありません。

第二種永久機関の否定により、「熱は温度の高い方から低い方に流れる」という熱力学第二法則、すなわち、エントロピー増大の原理が確立しました。

これによって総ての熱機関において最大熱効率が1.0、つまり100%以上になることは決してないのです。

仕事によって発生した総ての熱を熱源に回収する事は不可能だということになり、第二種永久機関の矛盾までもが確立されるに至りました。

仕事を外部に取り出すと、エネルギーを外部から供給する必要ができてしまいます。

そこで仕事を行う部分を装置内に組み込んでしまい、ある熱源から熱エネルギーを取り出しこれを仕事に変換し、仕事によって発生した熱を熱源に回収する装置が考えられました。

このような装置があれば、エネルギー保存の法則を破らない永久機関となります。

熱エネルギーの回収を行うので、熱源や周囲の温度は維持されます。

空気や海水塊自体の持っている熱を取り出して仕事をし、他に熱的な影響を与えない機械ともいえます。

例えば海水の熱により推進する船では、エネルギー保存の法則により、取り出した運動エネルギー分温度の下がった海水の排水が出ます。

これを船の近傍に捨てても、一方では、船の推進の摩擦による熱が発生し、船の周りに温水ができます。

スクリューで海の水をかき回すと、その冷水と温水が混じり周囲の温度と均一になり、他には熱という意味での影響を与えないように見えます。


ただし、加速時には船の近傍の海水は周りより冷たくなり、減速時には船の近傍の海水は周りより熱くはなります。

仮に第二種永久機関が可能としても、定義よりエネルギー保存は破らないため、その機械自体の持っているエネルギーを外部に取り出してしまえば、いずれその機械は停止します。

それで、第二種永久機関を肯定する実験結果は得られておらず、実現は否定されています。

前述の海水の熱により推進する仮想的な船の例では、「加速時に船の近傍の海水が周りより冷たくなり、減速時に船の近傍の海水が周りより熱くなるという、熱力学第二法則に反する現象が発生します。

無論、これは現実には起こりえません。

 つまり、永久機関は実現不可能。

当然、そうなります。

今ある運動機関とは、外部からエネルギーを取り入れて動かしている装置ばかりです。

 発電機と言えども、外部から取り込んだエネルギーを電気に変えているに過ぎない。

それも、変換効率100%に近づける努力はされているけど、摩擦熱などで逃げていく部分があったりして、苦労しているようです。

そこで、廃熱も活用して発電しようとする試みもありますよ。

 大きく分けて、自然から直接力を得ようとする装置と、蒸気にしてタービンを回そうとする装置がありますね。

でも、ポテンシャルエネルギーを運動エネルギーに変えてコイルを回すのは、共通ですね。

第二種永久機関は、一度取り込んだエネルギーを永久に装置の中で循環させようとするから、摩擦熱などに負けて止まってしまったのです。

第二種永久機関は、摩擦などが原因で止まったとしたら、その影響を取り除けば動き続けるわけでしょ。

 無重力空間なら、回せば回り続ける。

しかも真空なら、空気抵抗もないから、慣性の法則で回り続けるはずでしょ。

つまり、条件を変えてしまえば第二種永久機関は、実現しないとは言い切れないのです。

しかし、実際には機関には仕事をさせる必要はあり、何らかの負荷をかけることになるので、実用化は困難でしょう。

だが、エネルギーを無限に取り出せれば機関は永久に動かせるので、その意味では自然エネルギーの利用は現代版永久機関と言えるかもしれません。

 自然エネルギーの泣き所は、出力が安定しないことです。


安定し、かつ、無尽蔵なエネルギーがありますよ。

空間のエネルギーです。

E=mc²がエネルギーと質量の同等式で、重量がある大きさの重力下の質量の値と見れば、全てのエネルギーに対応した重量があることになります。

 ならば、光には少なくとも波長に見合った重量があると見るのは自然ですね。

光電効果で出る電子のエネルギーは、波長に左右されます。

ここで、c²=E/mとおけば、どうなるでしょう。

 質量は重力によって得られるから、質量mは重力の大きさの値と見ても良いでしょ。

c²=E/mは光のエネルギーは波長に応じて質量と運動エネルギーに変換できるという式ではないでしょうか。

 光は電磁波であり、電磁波は重力波と似た形式の式で書けるのでしたね。

電磁波によって、重力は制御できるはずですね。

 実際、磁場を用いて重力を制御する研究は行われていますね。

だったら、磁場を制御すれば、重力の大きさに差がある空間を作り出せるでしょ。

そして、逆に重力の落差から磁場を用いて電場を引き出すことは理論的には可能なはずです。

 プラズマは宇宙に存在する全物質の99.9999999999・・・%を占めていますからね。

あとは、実際に空間から電気を取り出すだけです。

 今ある装置、あるいは、これから出る装置で、実現できればいい。

そうなりますね。



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