犬のホルモン(内分泌)の病気|犬の健康大辞典
●犬の糖尿病 とうにょうびょう
多飲多尿、食欲が旺盛なのに体がやせてくるのが一般的な症状です。
症状に気が付かないまま進行すると、虚脱(ぐったり)、脱水、嘔吐などのほか白内障や腎不全などの合併症がみられることもあります。
ダックス、ビーグル、ミニチュア・シュナウザーなどの小型犬に多くみられ、発病のピークは7~9歳で、高齢になるとメスの発症率が高くなります。
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足して血糖値を下げることができず、尿中に糖がでてしまいます。
これは、遺伝的体質、膵臓の炎症、ホルモン、ストレス、薬物(ステロイドホルモン)などによっておこります。また、肥満や妊娠が原因となることもあります。
犬は咳抑制剤
●犬の糖尿病性ケトアシドーズ とうにょうびょうせいけとあしどーず
元気がない、食欲がない、水を飲まない、嘔吐や下痢をするなどの症状があらわれ、昏睡状態に陥ることもあります。
通常は1~2日で、長くてもせいぜい1週間くらいの間に急に体の具合が悪くなったように見えますが、多くの場合は、それ以前に糖尿病の症状があらわれていたはずです。
ひどくなると脱水などをおこし、死に至ることもあります。
糖尿病を放置していたり、治療が不十分だった場合に、インスリンが極端に不足し血液中にケトン体という呼ばれる有害な物質が著しく増えることによっておこる病気です。
●犬のクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症) くっしんぐしょうこうぐん
ゆみをともなわない左右対称の脱毛、多飲多尿、食欲増加のほか、皮膚に色素がついたり、皮膚が薄くなり血管が透けて見える、お腹が垂れ下がってくるなどの症状がみられます。
甲状腺機能低下や糖尿病を併発する恐れもあります。
犬や咳
副腎皮質から分泌されるコルチゾールというホルモンが過剰になるためにおこる病気です。
プードル、テリア種などに多くみられ、副腎皮質ホルモンの過剰分泌によっておこります。
ガンやアレルギー治療のために副腎皮質ホルモンを大量投与したときや、副腎腫瘍や脳下垂体の腫瘍が原因の場合もあります。
●犬のアジソン病(副腎皮質機能低下症) あじそんびょう
元気がなくなり、食欲不振になります。さらに無気力でぐったりとして、下痢、嘔吐、体重減少、脱水、腹痛、低血糖で急に倒れたりもします。
血液検査でわかる場合が多い病気です。
副腎皮質ホルモンの低下により副腎が萎縮しておこります。
大きなストレスを受けた後に発病しやすく、犬種別ではプードルやコリーに多い病気です。
副腎皮質ホルモンの投与を急に止めたときや、クッシング症候群の治療薬を過剰投与した際に副腎を破壊し、この病気になることがあります。
メスに多いという特徴もあります。
●犬の甲状腺機能亢進症 こうじょうせんきのうこうしんしょう
落ち着きがなくなり、異常に活発になります。
食欲が増進するにもかかわらず体重は減少します。
そのほか眼球の突出、心拍数および呼吸数の増加、多飲多尿、下痢の症状も見られます。
甲状腺の腫瘍によっておこります。
●犬の甲状腺機能低下症 こうじょうせんきのうていかしょう
元気がなくなる、運動を嫌がるようになりボーっとしているなど、普通の老化現象と似ています。食欲不振になりますが体重はやや増える傾向にあります。
また、基礎代謝が低下するため皮膚は乾燥し、脱毛します。
寒さに弱くなるため心臓機能も低下します。
そのほか外耳炎をよくおこす、低体温や脈拍が遅いなどの症状もみられます。
甲状腺の萎縮や破壊、腫瘍などが考えられています。
犬のホルモンの病気では最も多いものですが、なかでも中年期(4~10歳)の中型・大型犬は甲状腺ホルモンの量が少なくなるためかかりやすくなります。
ゴールデン・レトリーバー、ブルドックなどに多く発病します。
●犬の尿崩症 にょうほうしょう
水を大量に飲み、薄い尿を異常なほどにたくさん出すようになります。
視床下部もしくは下垂体の腫瘍や炎症により、抗利尿ホルモンの分泌が低下しておこりますが、なかには遺伝的にこの抗利尿ホルモンをつくれない犬もいます。
そのほか利尿薬や抗けいれん薬などの投与が原因の場合もあります。
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