断耳はそもそもなんのために?|黒狗の犬小舎
先のお色気話で頭がおかしくなってすみません。
話を通常のものに戻します。
続いては、断耳(だんじ)はどんなもので、何のためにあって、どんなタイプがあるのかなどについてお話します。
断耳というのは、特定の耳が垂れた犬種の耳に行います。
生後数ヶ月のときに耳に局所麻酔をかけ、耳たぶの一部を切除して立ち耳にすることを言います。
断尾に比べて犬の負担は極端に少ないですが、現在ヨーロッパやその周辺の国で廃止され、断耳されたものはその圏内へ輸入することが出来ません。
そこではドッグショーにおいても、断耳は不必要なものとして説かれています。
ただ、断尾はだめだけど、断耳は痛みや負担無く施術できるほど技術が発達したとして廃止をやめるべきとする愛好家と、犬の体をキズつけてまでスタンダードを保持するのはいけないとする愛好家の間で摩擦が広がっています。
たしかに私も断尾はよくないと思いますが・・・種類によっては断耳がいると思います。
でも、手術しなくても耳が立つ方法があるのであれば、施術は不要と個人的に思っています。
断耳には様々なタイプがあります。
タイプによって必要とされてきた理由が異なるのですが、
猫のための鎮痛剤
今日多くの犬種の於ける断耳の必要性は、外見を整えるためだけになってしまっています。
まあ、確かに耳の聞こえは向上しますが・・・。
断耳のタイプとその意味を並べていきます。あくまで呼称は私独自のものなので、ご了承ください。
1.長い立ち断耳
ドーベルマンやグレート・デーン、ボクサー、シュナウザー系の犬などにみられる、尖った長い断耳です。
耳たぶの端っこを切ることで整形されます。
犬の威厳を高め、耳を立たせることで音の聞こえを良くします。グレート・デーンなどの猟犬の場合、獲物に食いつかれるリスクのある耳の面積を狭めるためのものという意味合いがあるともいわれますが、これは誤りのようです。
2.短い立ち断耳
嘔吐黄胆汁の人間
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↑これは横に耳が向くように切ったもの(ドゴ・アルヘンティーノ)
写真の子達、マスティフタイプの犬やテリアによく行われます。
1よりももっと耳を短く切ることで、より耳を立ち易くし、獲物や対戦相手(闘犬や侵入者など)に食いつかれにくいようにする目的で行われます。こちらも畏怖の念を強調させたり(マスティフ種の場合)、耳の聞こえをよくするという意味合いがあります。
耳を向かせる方向の違いは、種類や飼い主の好み次第でこの2通りですが、
このほかに耳を前に向かせ、「合」の字の「へ」の部分のように、両耳がくっつくように整形するものもあります(主にアメリカ産の闘犬種に多い)。
3.片耳だけ立ち断耳
写真がなくてすみません。ギリシャのグリーク・シープドッグやスパルタ・シープドッグ(いずれもグレート・ピレニーズの親戚です)など、一部の限られた護畜犬種(家畜を警備し、外敵と戦う種のこと)に行われます。
垂れ耳の片方だけを切って立たせ、もう片方は自然にしておくという変わったスタイルです。
犬の嘔吐
犬の負担を軽減しつつ、聴力を高めると言うのが目的です。ギリシャには左右非対称にすることで聴力が上がるという言い伝えがあるらしいですが、科学的根拠はありません。
4.耳たぶ全切除
これも写真が見つからなくてすみません。現在廃止傾向で、現在も使役されている犬を中心に行われている模様です。
セントラル・エイジアンやコーカシアン・シェパードなど、一部の護畜犬種に行われます。
なんと耳たぶをほとんど、或いは全て切除してしまいます。
こうすることでオオカミに食いつかれないようにし、邪魔なものがないので耳の聞こえもよくなると信じられてきましたが、実際には音を集めるパーツがないので聴力は逆に低下し、耳の穴に異物が入りやすいという弊害があります。
ショードッグの一部にもこれが施されているようですが、極めて稀です。
耳掃除してあげたいなあ。
5.特殊整形
写真はカオ・デ・フィラ・デ・サン・ミゲルという犬種で、他にはまだ見たことがありません。
折り紙でコーンを作る要領で耳たぶの一部を切除・縫合して作るらしいです。
耳をパラボラアンテナのようにすることで、より聴力を高めようとしたものです。
断耳と一口に言っても、こんなふうにいろんなタイプがあり、いろんな由来がありました。
でも、断尾はそうでもなかったりします。
次は断尾について解説します。
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